第1章

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玄関のドアを開けた時、後ろからチッと舌打ちが聞こえたが気にしない。 俺は、部屋に直行してベットにダイブる。 ……はぁ。 バケハンなぁ…俺だってやりてぇけど、プラステ高いんだよなぁ…。 つか、月3000円の小遣い貯めてくのも不可能に近い。 絶対使っちまうし…バイトでもするか? …いやぁ、それもなぁ。 どうするか…。 そう思っていると、ある事を思い出す。 そう、姉である加奈子の事を… たしか、2日位前にプラステ4の箱を持って部屋に入って行くのを見た気が…。 少し借りられねーかな… いや、無理だな。 アイツ意地悪だし…。 まぁでも、今仕事行ってるし借りられ無くても少しだけ見て見ようかな。 俺は、部屋を出ると向かいの部屋の前に立つ。 そこには、立ち入り禁止の文字。 気にせずドアを開けて入る。 「うわ、きったねぇー。」 中には、食べ掛けのお菓子や飲みかけのジュース、そのまま放置されたコンビニ袋などが散乱している… 我が姉ながら、中々やるなと思った。 …まぁ、ガッツリ同じ血を分けているだけあって、俺の部屋も結構散らかってるんだけども。 まぁ、そんな事はどうでもいい… お目当のプラステは……お!あった!! テレビの前に鎮座していらっしゃるあの四角いマシーンは正しくプラステ!! …ん?てか、つけっ放しじゃね? 僅かな駆動音と、光るランプ。 俺は、テレビの電源を入れてみる。 おお!映った! って当たり前だけどな!! 一人でノリツッコミしながらも、画面を見てみる。 …これは、教室か? 教室の背景をバックに、画面中央に、ポーズ中の文字…。 電源切らずにスタートボタン押して仕事行ったな。 俺もよくやっちゃうけどな! ガチャ… そう思ってると、玄関の方から音がする 『ただいまー』 そして、姉の声…! ヤバイ!部屋に勝手に入ったのバレたら殺される!! 俺は、まずテレビ電源を消そうと思って一歩前に出る! ツルッ! …あれ? だけど、その足でコンビニ袋らしき物を踏み付けてしまい、そのままツルンとひっくり返る! あ…これヤバイやつや! ガンッ!! そう思った時には既に遅くて、プラステの角に頭を打って意識を手放した。
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