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本棚に追加それで彼女は業を煮やしたのか、それとも僕を追い詰める時を待っていたのか。
ある日の退社時、会社の通用口で不意に現れた彼女に、僕は自分の失態を悟った。
「……なぜ嘘を?」
「だって、黒木主任は社内の女は嫌なんでしょう?」
「その通り」
彼女にも自分にも呆れるあまり、長台詞を吐く気も起きなかった。
彼女の脇を抜け、去りかけた僕の背中に、彼女は決め台詞を口にした。
「西野専務は、私の父よ」
やられた、と思うのと同時に、さすが親子だなと失笑する。
「……それが?」
「あなたの上司でしょう?」
「だから?」
「あなたのこと、父に話していいかしら」
「何のために?」
「何って……お付き合いを……」
怯んで口ごもる女に向き直った。

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