彼女の拒絶-2

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「でも、もったいないです。私、ネット検索ぐらいであまり大したことしないんですけど……」 「どんなものを見るの?ドラマとか、動画?」 「あ……えーと、料理のレシピとか、あと誰かの猫日記とか……」 「はは、猫ね」 彼女は恥ずかしそうに顔を赤くして口ごもった。 猫動画を眺める彼女は猫よりも可愛らしいに違いない。 「席次表もこっちで作ったら?無線LANで僕のプリンタの設定済みだし、タッチパネルだから使いやすいよ」 「わぁ、本当だ。すごーい」 ごく当たり前の機能なのに、素直に喜んで肩越しに覗きこんでくる。 「いちいち反応が可愛いよね」 つられて僕も率直になると、僕の耳をサラサラとくすぐっていた彼女の髪が後ろに引っ込んでしまい、少し名残惜しかった。
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