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でも僕たちの現実はそう甘くなく、地雷を避ける手探り前進だ。
「とりあえず出来た。僕のテーブルは僕がやるよ」
桐谷を抜くか抜かないか、決着のつかないままの暫定版だから、正直あまり見せたくない。
「いえ。このパソコンだと楽チンだから私がやっちゃいます。楽しくて」
でも彼女は屈託なく主張した。
桐谷を抜いたバージョンをさらすことに一瞬ためらったけれど、いつかは迎える時だからと腹を決める。
「じゃあ疲れたら言って。僕はコーヒーを淹れ直してくるよ」
席を外したのは、彼女を一人にするためでもある。
席次表を見た時の動揺をごまかされるぐらいなら、一人で素直に反応してくれた方がいい。
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