彼女の拒絶-2

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二人のカップを持ってキッチンに行き、時間をかけてゆっくりとコーヒーを淹れる。 でも、もういい頃合いだろうとキッチンを出ると、彼女はさきほどの生き生きとした表情とは違って険のある目でパソコンの画面を見つめ、じっと手を止めている。 僕が戻ってきたことにも気づいていないようだった。 「コーヒー入ったよ」 わざと大きめに声をかけると、彼女ははっとしたように顔を上げ、ぎこちない笑みを浮かべた。 僕は何も知らない婚約者──。 これは飲み下さなければならない違和感なのだと、今見たものの記憶に蓋をする。 一番上になっている招待状がさっきと違っていることに気づいてしまう、無駄に鋭い記憶力を自己嫌悪しながら。
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