彼女の拒絶-2

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その猫を見る僕の目があまりに未練がましかったのか、ついにスタッフが軟化した。 「抱っこしてみますか?」 「えっ?…は、はいっ」 バカ狼狽えるな、余裕を装え。 猫地獄、いよいよ正念場。 唾を飲み込み、腕を伸ばす。 「フーッ」 ところが茶色猫は僕が腕を伸ばすと、途端に威嚇してきた。 やっぱり子猫にしますと言いそうになるのをこらえ、覚悟を決めて猫の両脇に手を差し込んだ、が。 「フ……ギャァァーッ」 「あらあらあら」 スタッフの手から僕に渡されると悟ると、猫は大暴れしてスタッフにしがみついた。 「やっぱり駄目みたい。猫を飼った経験、あまり無いですよね?」 「はい……実は皆無です」 「どうして猫を飼おうと?それも野良猫を」 そこで僕は微かな望みをかけて、こちらの事情を打ち明けた。 彼女が可愛がっていた野良猫を恋しがっていること。 彼女なら愛情を注ぐに違いないこと。 ペットショップの猫では意味がないと思うこと。
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