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夕刻からの披露宴だったので、二次会には出席せず帰宅の途についた。
若手が全員二次会の会場にゾロゾロと移動するのに、管理職に混じり駅に向かう僕を見た麻生部長は、ニヤリとしただけで何も言わなかった。
怒鳴り散らしたあの日以来、何となく気恥ずかしい。
家に帰ると、里英はカツオと遊んでやっていた。
カツオが我が家にやってきて十日ほど。
最初のうちは不安気に鳴きながら決まった場所ばかりをウロついていたけれど、最近は家中にマーキングをして好き勝手にのさばり始めている。
でも、まだまだ里英の姿が見えないと鳴くことが多い。
特に明け方。
カツオが寝室の外で哀れっぽく鳴くと、里英は不憫がってベッドにカツオを入れてやる。
ある意味、夜は僕とカツオで里英を取り合っている状況だ。
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