5.振動

2/21
前へ
/673ページ
次へ
 白い肌。そしてそれよりも目を引く綺麗に割れた腹筋。首から肩へのラインは男なら誰でも目指す筋肉質さ。あまりにも滑らかだ。憧れなのか嫉妬なのか、とにかく舌を這わせると、永礼の熱い吐息が肩にかかる。 「君も脱ぎなよ」  言うが早いか、シャツの裾を捲られて、俺は両手を上げておとなしく脱がされた。胸、腹に数度口づけて、再び唇を重ねる。官能を呼び起こす深く執拗な口づけに急激に高まる体温。それはやがて一ヵ所に集まり、どうしようもなく募っていく。 「あぁっ…」  硬くなったもの同士を擦り合わされて、体が跳ねる。  腰を押しつけて揺らしてくる永礼を止めようと両脚で胴を挟めば、密着度が増して更に刺激が強くなった。 「あぁぁっ!」  ごりごりと当たる感触が良すぎて生理的な涙が零れた。荒い呼吸と唾液が混ざってぐちゃぐちゃする。 「綾瀬」  促されて腰を上げれば、下の衣服を脱がされた。片足を持ち上げられ、ソファの背に引っ掛けられる。  反り返った男の象徴と、じくじく疼く後ろの穴を晒す恥辱的な格好。あまりの恥ずかしさに顔を背け、視線だけを永礼に向ける。  永礼は大きく息を吐いた後、露になった恥部に顔を寄せた。 「――っ」  あまりの衝撃に呼吸を忘れる。  二つ球を擦り合わせて口に含み、甘噛みする。棹に舌を這わせて全体を口にくわえ、何度も出し入れする。溢れる先走りと永礼の唾液が張り詰めた俺を伝い、それを啜る卑猥な音に耳が犯される。  ――もう、むり。 「ながれっ!!」  迫り来る射精感に体中が痙攣する。叫ぶ。 「…っ⁉」  ふと湿った感触が離れたかと思うと、永礼は身を離した。そのまま自室に引っ込んでいく。
/673ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1324人が本棚に入れています
本棚に追加