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「この格好で放置される俺の気持ちを考えてくれないか」
恥ずかしさで死ぬかと思ったぞ。結局困惑しすぎて身動きが取れずに放置されたときのままの体勢でいることになったが。文句をぶつけると、永礼は下から上へと、それこそ舐めるように俺を見回してたっぷりと視姦したのち、無邪気に笑った。
「絶景だと思うよ?」
首を傾げる様は可愛いはずなのに、ジェルを手に馴染ませながら言うものだからどう感じれば良いのかわからない。表情と行動のギャップがすごい。
指を後ろにあてがわれる。入り口をくるりと擦られれば、ここ何回かですっかり慣れたのだろう、中に早く取り込みたくてヒクつく体。その浅ましさに嫌気が差す。なんて言いながら、本当はそこまで嫌でもない。
そんな俺を見透かしているのか、永礼は満足そうに微笑んで指を差し込んだ。
「後ろだけでイけそう?」
何もかも見透かしているような不思議な瞳に覗き込まれる。俺はこの目に弱い。
「わかんっなっ!」
わからない、なんて口先だけで、体は素直に反応する。さっきの空白で萎えかけていたものが再び立ち上がる。
長い指が奥まで入り、内壁を擦る。記憶力の良いコイツだ。俺の感じる所は既に記憶済みなのだろう。
「じゃあ、足りなかったら自分で触って」
俺の手を取り、自分自身を握るよう誘導される。
悪戯っぽく笑う顔にはさっきまでの子どもっぽさがない。愉悦の混じった男の顔。その色気に圧されて、俺はただただ頷いた。
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