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今日はほとんど傷にならなかった噛み痕を、少し残念な気持ちで撫でながら、すこん、と眠りに落ちたヨウを見つめてみる。
『さん、じゅっ、ぷん……』
『ぇ?』
『たっ……たら……ぉこ、し、て』
『ヨウ?』
切れ切れの言葉を、聞き返した頃にはもう、それはそれはあどけない、柔らかな寝顔を晒していた。
健やかでのびのびしたその寝顔に、ふ、と顔が綻ぶのが分かる。
あぁ、こんなにも愛しいのかと1人笑って、そっと頬を撫でたら。
「ん……」
「~~っ」
すり、と。撫でる手に擦り寄ってくる可愛さに悶絶して。
30分だなんて言わず、今日は泊まっていけばいい、だなんて勝手に決めつけて。飽きることなく寝顔を見つめていた。
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