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「あ、つぅッ、ぁ」
「っ、……よ、う」
ゴム越しなのにとんでもなく熱い楔に貫かれて、ぎゅう、と無意識に中が締まる。
苦しげに呻いたシュウは、オレの真上で辛そうに眉を寄せていて。
いい気味、と笑うはずだったのに、締め付けたせいで苦しくなったのは、オレも同じで。
「っ、しゅ、……っ、ぁ、くるし、ッ」
「待って、痛い今ムリ」
緩めてちょっと、と情けなく零したシュウの悲鳴じみた願いは、だけど叶えられるはずもない。
「む、り、……ぃァ」
「んで、緩めて、ッて」
「わかん、な、ぁ」
締める緩めるを自在に操るなんて高度な技術は、持ち合わせていない。
後ろは勝手に蠢いて、勝手に貪っているだけだ。
「ヨウ……ッ」
「む、りだ、ってばぁ」
無茶言うなよぉ、と情けない涙が溢れて、ただでさえ息苦しかった胸が、さらに苦しくなって。浅い息を繰り返すしかない。
「よう……」
「んぅ? っふ、ぅ」
苦しい目をしたシュウがゆっくり近づいてきて、苦しい呼吸を宥めるみたいな、優しいキスをくれる。
「しゅ……、ンっ……しゅう」
柔らかく中をくすぐって啄む、うっとりと優しいキスに酔って、うっすら目を開ける。
「そう……じょうず」
「なに、が……?」
「緩んだ」
「な、か……?」
「そ。今……むちゃくちゃ柔らかくて、オレのこと優しくはむはむしてくれてる」
「はむはむ……」
ふんにゃりと幸せそうに微笑(わら)ったシュウの、言葉のチョイスに少し笑って。
「きもちぃ? しゅう」
「ん」
蕩(と)けそう、と。蕩(とろ)けた微笑(えがお)でシュウが呟く。
あぁ、幸せだ、と思ったら。
涙がボタボタ零れたからおかしくて。
「ぉれも、きもちぃ」
ビックリした顔をするシュウの、頬を両手で挟んで。
触れるだけのキスをした。
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