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「僕は朔太郎くんが好きだよ。きっと、ずっと好きだ。例え朔太郎くんが、僕を好きじゃなくなっても」
そんな風に考えてしまうと、胸がチクチクと痛むけれど。
それでもきっと、僕は彼が好きだと半ば確信している。
「……俺の方が好きだ」
「ふふ、うん、ありがとう」
拗ねたように言い返す朔太郎くんに笑いかけると、腕を引かれてフワリと包み込まれる。
朔太郎くんの匂いがする。
幸せだ。
「晴太、大事にしたいからダメなことは言って。譲れないかもしれないし、納得しないかもしれないけど。……どんな気持ちでも、知りたい」
うん。
僕も同じだ。
朔太郎くんが何を考えているのか、想像だけでは不安になる。
それで合っているのかもわからない。
だから出来るなら言葉にして伝えたいと思う。
もしかしたら、これから言葉に出来ない気持ちになることもあるかもしれない。
だけど好きだという気持ちは伝えたい。
朔太郎くんが不安にならないように。
ふたりでずっといられるように。
「晴太が居なくなるかもって考えるだけで、頭が真っ白になった」
「うん。僕も朔太郎くんに置いて行かれて悲しかったよ?」
ごめんと呟く朔太郎くんにしがみ付く。
「もうしないって約束してくれるなら、許す」
本当はとっくに許しているけれど。
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