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もともと登校拒否児だから、学校に行かないで家でフラフラしていても何も言われない。
それ以前に、唯一の肉親である母親は、俺が青痣だらけの顔になっているなんて知らないだろう。
昼間に家の電話がけたたましく鳴っていたが、一度も出なかった。
リンチを受けてからちょうど一週間。久しぶりに顔を合わせた母親に家を追い出され、行く当てが見つからない俺は仕方なく学校に向かった。
朝から登校するのは久しぶりで、つまらない時間を潰すため四六時中携帯を見つめている。
昨晩まで遊んでいた女はこれから仕事だというメールを最後に連絡が途切れた。女子校のお嬢様は学校にいる間は携帯の電源を切っているし、同じ学校の女に的を定めたとき、何だか億劫になって連絡をとるのを止めた。
ざわざわした教室。居心地が悪い。
学校にあまり来ない俺の所定位置は、窓際の一番後ろの席。席替えの時に居合わせたことが無いため、担任が独断で決めたようだ。前面や真ん中の席がいつもぽっかり空いているのは、ちょっといただけないもんな。
朝から出席していると、何かにつけて話しかけたり、構ってきたりする担任にはからかわれるだろうと予測できた。それをどう回避するべきかと考えながら、着信のない携帯を手の中で転がしていた。
登校した多くの生徒が机の近くを通過する。周りに無関心でいたから背後から忍び寄る気配に気付かなかった。
「グッモーニン、マイハニー!」
背中を押され、顔面から机に倒れた。
「クッ、なっ……!」
突然の出来事にパニックに陥る。
起き上がろうと藻掻くが、背中に重いものが乗っていて動けない。
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