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 チャイムが鳴る前にかろうじて我に戻り、急いで教室を飛び出した。  昇降口に向かい、靴を履き替えて駅まで猛ダッシュ。電車に乗るまで落ち着かず、ずっと胸がドキドキしていた。 「……くそっ」  なんだ、この無様な姿は。  よりにもよってなんで高幡順平に絡まれ、奴の一挙一動に怯えなくてはいけないのか。  右手で電車のドアを叩き、靴の裏でも蹴った。苛々が止まらない。  それでも女の家に着く頃にはいつもの自分を取り戻していた。  天気のいい真っ昼間からベッドに潜り込みふしだらな行為に没頭する。その間、幾度となく携帯のバイブが鳴っていたが、誰からの着信かなんて知りたくなかったので、画面を見ずに携帯の電源をオフにした。
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