瑠珂と順平のその後①

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 マイはこんなに意味不明な話をする子だったかな? 1年離れていた時間を思い知らされる。   「そう? 男と女の違いかな。俺はムっちゃんの案がダントツに良かったけど」  サクラが口を挟む。するとマイはテーブルに飛び乗り、何度も頷いた。 「アレいいよね! あの流れだったら私も文句はない! さすがムっちゃん!」  ムっちゃんって誰? 「いいの? あれこそ速効ベッドインだけど」 「いいの! 無理やりサイコー!」  マイが親指をグッと立てると、サクラは「女って分からねえ」と言って笑った。  分からないのは俺も同じだ。あと、マイとサクラが話を弾ませる一方で、春日と西尾がげっそりした顔をしているのもサッパリ分からない。 「それで、実際はどうだったのよ?」  サクラが俺の肩に手を乗せて尋ねてくる。マイは急に黙り込み、大人しく待てをする小型犬のように期待に潤んだ目を向けてくるので、ますます分からない。 「実際って?」 「昨日樋口と久しぶりに会ってどうだったんだよ」  サクラは面白がっている。視線を泳がせると、春日と西尾もまた俺が話し出すのを待っているので、仕方なく昨日の出来事を時系列に思い出していった。
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