ゆれる恋心

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彼の部屋の前に着いた。 キィを見ながら少し迷って部屋に入った。 部屋は明りが落とされていて暗かった。 彼はシャワーを浴びているらしい。 浴室から水音が聞こえる。 間が持たなくて窓の外を眺める。 夜景がきれいだった。 水音が止んだ。 ドアを開けて彼が出て来た。 腰にバスタオルを巻いだだけで私の傍に寄って来る。 2、3歩後づさりをした。 彼は黙って私を抱き上げるとベットに運ぶ。 私の服の釦を外し口でブラの肩紐を落とす。 片方の乳房が露わになった。 「今もピンク色なんだ。 綺麗だ」 そう言って口に含んだ。 「待って、慶吾」 彼は顔を上げて私を見た。 「どうした? 覚悟してここに来たんじゃないの?」 「して来たわ、覚悟。 でも言っておく事があって」 「言っておく事って? 何?」 「私・・はじめてなの」 「ん?」 「した事ないの」 「した事・・無いって・・バージンって事か?」 「うん」 「君、35だろ?」 「34よ、早生まれだから」 慶吾は私を見る 「どうせいつまでも大事に持ってても仕方ないだろ?」 「それは、 そう・・だけど・・」 「それなら僕にくれ。 大丈夫だ、僕は上手い。 初めてでも必ずイカしてやる」 そう言って口付けた。 もっと痛いものだと思っていたのに・・ 彼が言うように、彼が『上手い』のか、なんとなく、気持ちが良かったような・・ ただ、 彼の匂いが私を包んで、 幸せな気持ちにさせた。
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