ゆれる恋心

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お酒と早起きと、初体験のせいでそのまま眠りについた。 朝になった。 目覚めると慶吾がじっと私を見ていた。 「おはよう、目が覚めた?」 「うん、起きてたの?」 慶吾は私の鼻をつつく。 「君のいびきが煩くて・・」 「嘘」 私は慌てて彼を見る。 「ごめん、嘘だよ。 さっき目が覚めたら、 奈々美が横に寝てて変な気がしたんだ」 「変な気?」 「僕、女と寝ても朝まで同じベットにいた事がないんだ。 何て言うか・・ 匂いが駄目なんだ」 「匂い?」 「うん、女って匂い」 「何、それ。 私は女の匂いがしないって事?」 「いや、違う。 その匂いじゃなくて、 何て言うか・・ 雰囲気? とにかく君は僕が嫌だと思う匂いがしない。 それにそのピンクの乳首、 僕が触った後、誰にも触らせずにいてくれてんだろう?」 「貴方の為じゃないわ、 あげたい人に出会わなかっただけよ」 私は強がりを言う。 本当は慶吾を忘れられなくて男の人を好きになれなかった。 慶吾は私の髪をなでる。 「それでも結局、 僕が君の始めての男になった」 彼の指が私の唇をなぞる。 「そう思って君を見てたら・・」 慶吾の顔が近ずく。 「また、欲しくなった」 私は顔を赤くして彼を見た。 「でも、 寝てるのになぁって迷ってたら、君が起きたから・・」 「だから?」 「もう一度抱く」 そう言って私を抱きしめた。 「待って」 「なに?」 「私が嫌って言ったら?」 「言わない」 「どうして判るのよ」 「君の身体が僕を欲しいって言ってる」 そう言って私の『女』に指で触れる。 「ほら、な?」 そう言うと口づけた。 拒む暇もない。 私は殆ど抵抗もできずに彼の腕の中に溶けた。 「奈々美、 シャワーしておいで」 「慶吾は?」 「ん? どうしょうかな、眠い」 私は手を伸ばして昨日慶吾が腰に巻いていたバスタオルを探す。 「何してるの?」 「え?ああ、 バスタオルを・・」 「いいよ、そのままで」 「嫌よ、恥ずかしい」 「見せろよ、全部」 「やだ」 「見せろって、もう僕のだろう?」 私が戸惑っているとベットから起き上がって私の前に立った。 「ほら、 僕のも見たんだから君のも見せろって」 私をベットから引っ張り出す。
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