17人が本棚に入れています
本棚に追加
しつこく携帯が鳴る。
手探りで画面の時刻を見た。
０７：２２分・・
「え～、ん～もう、誰～」
見覚えのない番号だ。
枕の下に入れて目を瞑る。
一度切れたと思ったのにまた鳴っている。
ため息を吐いて電話にた。
「はい・・」
「あっ、寝てた？ごめん」
「ごめんじゃないわよ～
誰？
間違い電話なら殺すからねっ！
何よ、まだ７時２０分じゃないの」
私は寝起きが悪い。
実家にいた頃は家族はその事を嫌がって私がどんなに寝坊しようが、誰一人起こしには来ない。
学生の時は遅刻の常習犯だった。
「あはは、変んないね君。
そうか、そっちは朝の７時２０分か」
「はあ？誰よ？
変んないって・・」
「僕？慶吾」
「けいごぉ？
ケイゴって、慶吾？」
私はベットから飛びおきた。
「あはは、
ケイゴって、慶吾？はないだろう。
本当に・・」
桐生慶吾。
私の中学のクラスメーで初恋の相手だ。
「奈々美、君、今何してるの？仕事は？
もしかして結婚・・は無さそうだ。
この時間でも寝られるって事はまだ独身か？
それとも、バツ１か・・２？」
「やめてよ、まだ一人。
バツなんて付いてないわ」
「あはは、それは失礼」
「久しぶりね、どうしたの？
何か用事？」
２０年ぶりだった。
「ん？・・
明日日本に帰るんだ。
暫くいる心算だから・・
会えないか？」
「えっ？私と？」
「嫌か？」
「嫌じゃないけど・・
ああ、あれ？
昔と姿が変ってて他の人とは会いたくないとか？」
最初のコメントを投稿しよう！