突然は必然?

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取り合ううちに二人でベットに倒れ込んだ。 シャツの釦が外れてブラが見える。 しかも胸の上にずれて乳首が見えた。 私は顔を真っ赤にして両手で胸を押さえた。 「気にしなくていいよ。 僕、女に興味無いから・・」 「え?」 「僕、男が好きなんだ」 「ウソ、ホモって事」 「うん、誰にも言うなよ」 そう言うと私の後ろに回って手を私の胸に差し入れた。 私の小さな乳房を彼の手が包む。 「こうやって、脇の下から肉を持って来るみたいにブラの中にしまうんだ」 そう言って起用に私の胸を整えた。 「シャツ、脱いでみろよ」 私は彼に言われるままシャツを脱いだ。 「ほら、さっきよりましになったろう?」 左右を見比べる。 確かに違う。 ちゃんとカップの中が乳房で埋る。 「反対の胸もやってみろよ。 本当は腰を曲げて下を向いてから、今みたいにやるんだけれど・・」 私は彼に教わったとおりに胸をカップの中に押し込んだ。 「ほら、そうするとそのブラなら小さい位だろ?」 本当だ。 ペタンコの胸が大きく綺麗に見えた。 「次に買うときには店の人に見て貰ってから買うといい」 「慶吾ってどうしてこんな事知ってるの?」 「ああ、姉さんが下着のデザイナーなんだ」 私は鏡の中の自分の胸に見とれる。 少しだけ大人の女になった気がした。 「もうシャツ着ろよ、本当に風邪ひくぞ」 彼にそう言われて自分に戻った。 「お礼無いの?」 彼が私に言う。 「え?お礼?」 私の胸を触ったくせにと彼を見る。 「腹減ったな・・ なんか無いの?」 気付くと昼だった。 「お母さんが出前取れって言ってたけど・・ 何がいい?」 「嫌だ、出前飽きた。 君が何か作れよ。 あ・・料理・・できない・・とか」 「できるけど材料が無いの。 インスタントラーメンなら有ると思うけど」 「いいよそれで。 野菜くらい入れてくれるだろう?」 結局、インスタントラーメンを作らされて二人で食べた。 「インスタントラーメンって初めて食べたけど、思ってたより旨いな」 彼がそう言って私を見た。 「君が作ったからかな?」 ドキンと胸が音を発てる。 そのひと言で私は慶吾に恋をした。 私に男が好きだとカミングアウトしたばかりの我儘な男。 初めて会った時から私の事を顎で使った男。
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