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とりあえず俺は自分の能力を確認してみることにした。スピードは予想通りの凄まじい速度が出たので、間違いなくマッハ20だろう。
次にうなじから生えた2本の黒い触手を研究してみた。この触手はスピードはもちろん、パワーもかなりあり、大岩くらいなら軽く振っただけで破壊できる。さらにこの触手は収納可能のようで、普段はうなじ辺りに隠しておくことにした。人に会った時に触手生えてたらひかれるからね。俺はこの2本の触手を「主要触手」と呼ぶことにした。
次に自分の髪のことだ。実はこの髪も触手だったようで、主要触手と同じように自由自在に操作できた。髪の毛一本程度の細い触手から髪を何本もまとめた太いパワフルな触手まで幅広く応用できた。
この他にも脱皮やエネルギー波、完全防御形態など完璧に音速タコの能力を受け継いでいた。
よし、俺のことは大体分かったし、今度はこの世界について振り返ってみようか。神様にこの世界のことは説明されたからな。
この世界は小説とかでよく舞台にされる魔法の世界だ。広さは地球とほとんど同じで、軍事力が世界一の「ゴート帝国」、比較的平和な「イスリア王国」、国民は強制的に宗教に入れられる「キリシアン聖教国」とこの3国が有名な国だ。ちなみに俺が今いるのはイスリア王国である。
そしてこの世界の知的生命体は人間だけではない。獣人や妖精族など人以外にもいろんな人種がいる。だが、最も繁栄しているのは人間であるため、それ以外の種族は若干差別される傾向にあるみたいだ。人は力をつけると自分達が一番だと勘違いする。そんな愚かさはどこの世界でも変わらないようだ。
ところでこの世界は魔法を主体とした世界で文明は地球程発達しておらず、未だに貴族階級制度がある。この世界の貴族はかつて魔王を封印するために戦った戦士の末裔だそうだ。今では彼らが上級貴族と下級貴族に別れ、王や皇帝の政治にたずさわっているらしい。俺はこういう政に関わる気はさらさらない。面倒だもの。
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