第1章

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次に魔法について説明しよう。魔法は身体に宿る「魔力」を使って行使する。魔力には属性があり、火、水、雷、風、土、そして落ちこぼれの無属性を入れ、基本この6種類の中の一つを宿している。 無属性は「身体強化」と「魔弾」しか使えないとされる属性で、それ故落ちこぼれのレッテルが貼られている。ちなみに俺も無属性だ。でも別に気にしていない。タコ教師の能力があるし、何よりこの無属性は決して落ちこぼれではないことが分かったからだ。 本来は心臓辺りに宿している魔力を身体中の細胞一つ一つに染み渡らせる。すると普段から身体強化をしている状態となり、身体能力と防御力が格段に上がる。しかも、常に細胞が活性化しているので寿命も最低数倍、うまくいけば数十倍、数百倍にも跳ね上がる。これは無属性のみの特権である。恐らく火属性とかでこれをやると身体中熱くてとてもできないはずだ。 さらに無属性だと擬似的な「A.T.フィールド」を張ることができる。この防御魔法が使えるのも無属性だけであり、他の属性ではできないはずだ。 そんなわけで俺は自分が無属性であることを誇りに思っている。まあ、この世界の連中は先入観とかで無属性をまともに研究しなかったんだろう。「落ちこぼれだって必死に努力すりゃエリートを越えることがある。」とはよく言ったもんだ。某サイヤ人に脱帽である。 あとこの世界には魔物もいる。今俺の目の前にいるのがそうだ。小さい人型に緑色の肌、ゴブリンだ。奴らは錆びた剣や斧を持って俺に近づいてくる。 「ギギィ!」 ゴブリンの一体が俺に剣を振りおろす。あくびが出るほどの遅さだが、ここは実験のためにあえて受けてみよう。 ザシュッ! 「っ!!」 俺の左腕が斬り落とされ、大量の血液と共に鈍い痛みが走る。ゴブリンは俺の血を見て嬉しそうにしている。ん?来たか? ズッ! 「ギッ!?」 次の瞬間俺の左腕が根元から再生し、ゴブリンが驚く。タコ教師の力を受け継いだことで並外れた再生能力も手に入れたようだ。 「ギギィ!」 「ギャア!」 ズッ・・・ 今度は二体のゴブリンが俺の身体に剣と斧を突き刺す。だが どろぉ・・・ 剣と斧がドロドロに溶ける。さっきはわざと腕を落としたから斬れたが、やはり俺の身体は対先生物質しか効かないようだ。 「はっ!」 ザンッザンッ! 俺はゴブリンの首をはねてその場を後にした。
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