メビウス

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 見たくない。  キミのこんな姿態、見たくないのに……まばたきすら忘れて見入ってしまう。 「ん……っ! ……ねえ、もう……」  彼女がボクを待ってる。早く、と催促する。  ──反吐がでる。 「意地悪しないでよ……ね?」  こういう時の妖艶な微笑みに打ちのめされて。  普段の何気ない仕草や横顔が綺麗すぎて。  そのせいでボクの世界は、キミ一色に塗り替えられてしまった。 「ね……名前、呼んで?」  普段は無口なキミが、この時ばかりは饒舌になる。  最後に自分の名前を呼ばせたがるのも、いつもの事。 「依子……」  ヨリコ…… 「ああっ……!」  キレイなヨリコ。ボクのヨリコ。  憎くて愛おしい、キミは最高の……売女だ。
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