19人が本棚に入れています
本棚に追加
見たくない。
キミのこんな姿態、見たくないのに……まばたきすら忘れて見入ってしまう。
「ん……っ! ……ねえ、もう……」
彼女がボクを待ってる。早く、と催促する。
──反吐がでる。
「意地悪しないでよ……ね?」
こういう時の妖艶な微笑みに打ちのめされて。
普段の何気ない仕草や横顔が綺麗すぎて。
そのせいでボクの世界は、キミ一色に塗り替えられてしまった。
「ね……名前、呼んで?」
普段は無口なキミが、この時ばかりは饒舌になる。
最後に自分の名前を呼ばせたがるのも、いつもの事。
「依子……」
ヨリコ……
「ああっ……!」
キレイなヨリコ。ボクのヨリコ。
憎くて愛おしい、キミは最高の……売女だ。
最初のコメントを投稿しよう!