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【黒田区アパートつきまとい殺人事件】
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平成〇年3月6日午後11時頃、都内会社員、遠山 順子さん(当時21歳)が自宅の黒田区北本町2丁目のアパートにて、カッターナイフで滅多刺しにされた。
犯人は同じアパートに住む無職の男、鈴木 知之(当時29歳)。鈴木はその場で順子さんを刺したカッターナイフを用いて自分の喉を切りつけ即死。
だが二人の間に特別な交友関係はなかった。
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(北本町2丁目アパート、二十年以上も前……! もしかしてコレじゃ……?)
ディスプレイに浮かび上がった、小さな新聞記事。
その横にある、四角い枠で囲まれたコラムがまた悪寒を誘う。
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近年、若者がこのような、いわゆる『付きまとい』の事件を引き起こす事例が急増している。好意を持った相手と実際に交流が無いにもかかわらず、相手も自分を受け入れていると思い込み、付きまとうようになる。好意を押し付け、拒絶されてもそれを認められず、攻撃的になることもある。
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「やだ、これってストーカーだ……!」
思わず呟いて、依子は震える手で携帯を握り電話をかけた。
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