男なら背中で泣きやがれ

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しばらく兄貴と僕は口を開けてびっくりしていて、微動だにもしなかった。 「おい。クロウ、ウルフどうした?」 心配そうな顔をしたカイトさんが僕達の肩に手を乗せて声をかけてくれた。 「い、いや。凄すぎて…」 「言葉が出ないよ…」 見たことのない技術に僕とアニキはグウの音も出ず、驚くばかりだった。 「あー、そうか。お前らはアルヴァントリオしか知らないのか。その話も諸々するつもりではいたんだ。」 まぁ、座れと言わんばかりにカイトさんが僕とアニキの為に椅子を引いてくれて それに答えて兄貴と僕は横に並んで椅子に座った。 テーブルの上には見たことのない食事がならんでいた。 芋とにんじんなどの野菜がお肉と一緒に煮込まれていて、なんだか糸状の食材も入っている。その料理が綺麗な器に盛りつけられていて、その隣の器には 緑色の葉っぱに茶色の木の削りカスみたいなものがかかっているものが盛り付けられてあった。 「うおっ!?なんだこれ?白いぞ…!?」 料理が入っている器とは少し違う器には白い食べ物が盛られていた。 「…見たことないものばっかりだね。アニキ…」 「あぁ。外の世界は不思議だな。ウルフ。」 グゥー…と僕のお腹が音を立てて、空腹を知らせてきた。料理のいい匂いのせいで口の中が唾液でいっぱいになってきた… 「にゃー」 部屋の端で猫みたいなロボットにハロルドさんが餌を上げている。見た感じ、猫が食べそうなものは餌入れに入っていないけど… 「よし、ハロルド!席につけ!」 カイトさんがそう声をかけると、ハロルドさんは席についた。 「それじゃ…」 カイトさんがみんなを見回して手と手を合わせて 「いただきます!」 そう、号令をかけた。
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