男なら背中で泣きやがれ

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カイトさんが用意してくれた夕食はみたことのないものばかりで、新鮮だった。 カイトさん曰く今日のメニューは 「ニクジャガ」と「ホーレンソーのオヒタシ」と言うものらしい。 見たこともない食材もあるけど、食べてみようと思って僕はスプーンとフォークを見回した。 「あれ…スプーンとフォークがない。」 「ウルフ。この二本の棒で挟んで食べるみたいだぞ?」 アニキが横から肩を叩きカイトさんの手を指さしていた。 「ん?あー、そうか。箸を知らないんだったな。」 するとカイトさんは人差し指と中指の間に1本の棒をはさみ、親指を添える。 もう1本の棒を親指の付け根と人差し指の付け根の部分にはさみ、薬指の上におく。それで上の棒だけを動かしてものを挟んで口に運んだ。 「これが正しい箸の使い方だ。」 僕もアニキもまねて、芋を挟んで口に運ぶ。 『「う…っ! 」』 「?どうした?お前ら?」 『「うううううううっ!」』 「もしかしたら喉につまらせたのかも!?」 エリスさんが慌ててグラスに水を汲みにサーバーへと走った。 「『うまぁぁぁぁあい!』」 アニキと僕は全く同じタイミングで大きな声でつい叫んでしまった。 「え?」 エリスさんは両手にグラスを持ったままこっちに向いて目が点にしてこっちを見ている。 「いや、これかなりうまいぞ!」 アニキがバンバンと僕の背中を叩きながら嬉しそうに笑っている。 「うん!僕、これ大好きだよ!アニキ!」 「よし!ウルフ!食うぞ!」 「うん!」 このニクジャガという食べ物は口の中に入れた時に味が良くしみている芋がホクホクとしていて、味も濃すぎるわけでもなく、それでも芋の味が引き出されていてとても美味しい。 「まったく人騒がせな奴らだ…」 何故かカイトさんは苦笑いをしてずずずと飲み物を飲んでいる。なんで苦笑いしてるんだろ? 僕とアニキはこの『ニクジャガ』と『ホーレンソーのオヒタシ』 と白い食べ物を組み合わせながらお腹いっぱいになるまで食べ続けたのは言うまでもない。
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