男なら背中で泣きやがれ

13/28
前へ
/83ページ
次へ
お腹いっぱいになり僕もアニキも部屋の中にある座椅子に腰をかける。 「うわぁ!?この椅子身体が沈んでいくよ!?」 表面の材質は、エル村でも作っていた動物の革をなめして干したものと同じような手触りをしている。 「おおっ!これはいい椅子だな…」 アニキも気に入ったようで体重をその椅子にかける。ふかふかして気持ちいい… 「それはな、ソファーって言うんだ。ちなみにそのソファーは俺が廃材で作ったもんだから材料費なんてかかってねぇ。」 胸を張ってえっへん。と言わんばかりにカイトさんがしたり顔をしている。確かにこの座り心地が最高なソファーを作って威張りたくなるのもよくわかる。 「さて、ソファーの自慢はここまでとして、話してないことが沢山あったな。」 この場所のことやいろいろと。僕もアニキも気になっていた。 「改めて、俺の名前はカイト=オオツカ。よろしく頼む。」 目の前で1人がけの椅子に座ったカイトさんが頭を下げる。 それに、釣られてアニキと僕も頭を下げる。 「で、後ろにいるのがハロルド=オオツカ。俺の弟子であり、娘だ。」 カイトさんの座っている椅子の後に立っているハロルドさんを顔も向けずに紹介する 「ハロルドです、よろしくお願いします。」 ハロルドさんは礼儀正しく頭を下げる ハロルドさんとカイトさんって親子だったんだ…!でもあんまり似てない…と僕は思う 「で、あそこで食器洗浄機に無理やり皿を突っ込もうとしてるのがエリス=アドワード。」 台所に向かって指を指すとその先に皿を無理やり隙間に入れようとするエリスさんがいた。 「ああっ!入んないっ!」 現在絶賛苦戦中のエリスさんを見ると少し少し張り詰めていた空気が和んだ。 「それじゃあ、今度はお前らのことを教えてもらおうか。」
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加