男なら背中で泣きやがれ

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向こうの自己紹介が終わり今度は僕達二人の番だ。 「俺はクロウ。クロウ=エルゲイト。歳は21。」 アニキは堂々として、自分の名前を告げる。 「で、このカタナは村のジンジャってとこからかっぱらってきた。」 アニキはテーブルにカタナを置いた。 アニキのカタナは全体的に黒い。持つところも入れ物も。 「よし、ウルフ。行け。ガツンとお前ってもんを伝えてやれ。」 「う…うん!」 アニキは僕の背中を叩き、押してくれた。 こくりと首を縦に振りぼくは、背筋を伸ばして、胸を張った。 「僕は…ウルフ。ウルフ=エルミスタ。」 背中にずっと背負っていた袋をアニキと同じようにテーブルに置いて袋からカタナを取り出す。 アニキとのは逆に全体に白いのが僕のカタナだ。 「おい。ウルフ。」 僕がカタナを見ているとカイトさんに名前を呼ばれた。 それに答えるように僕は首を上げ、カイトさんの方を向いた。 「お前、本当に下の名前はエルミスタか?」 「うん。」 カイトさんたち3人はビックリした顔をして、口が開きっぱなしになっている。 「お前の母さんはなんて名前だ?」 母さんの名前?なんでそんなの聞くんだろ? 「アイシャ=エルミスタだよ。」 「それで、アイシャおばさんがどうしたんだよ?」 アニキが僕が聞きたかったことを先に聞いていた。 「まさか…お前が『四国の系譜』息子とはな…。」 何を言っているかさっぱりわからない。うちの母さんはただの行商人のはずなんだけど… 「アイシャ様は生きてるのか?」 「あ……2年前に…」 「そうか…辛かったな。」 カイトさんは僕が母さんの話をして俯いたのを見逃さなかったようで優しく頭をなでてくれた。 「ううん。アニキが今から全然寂しくなかったよ。ね。アニキ!」 僕はアニキの方を向いて、笑顔をむけた。 「ウルフ…。あぁ!この2年間寂しくなかったろ!俺のお陰で!」 一瞬したアニキの僕を慈しむような目を見た瞬間に涙が出そうになってアニキに抱きついていた。 「よし。それじゃあ、次はお前らがいるこの場所について話してやろう。」 カイトさんは僕達の目を見てそう告げた
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