男なら背中で泣きやがれ

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朝ごはんを終え、人口芝生高原へと足を運んだ僕とハクロウは広い高原の中で向かい合って立っていた。 「ウルフ。あなたは魔力を知っていますか?」 ハクロウは神妙な面持ちで僕の顔を見てそう言った。 それを聞いた僕は頷いた。 「人の中に最初から備わっていてアルヴァントリオの人達は生まれつきその扱いに長けているんだよね。」 僕が知っているうちの魔力に関する情報を伝えた。 するとハクロウは深く頷き、 「正解です。よく出来ましたね。」 と褒めてくれた。少し嬉しくて顔が綻ぶ。 「それで、このカタナと魔力が関係あるんだよね?」 そういってハクロウにカタナを突きつける 勘だけど、そんな気がする。 「正解です、察しがいいですね。それでは…」 またクイズなのかな?ハクロウは一体何がしたいのかわからないけど最後まで付き合ってみよう。 「魔力はいろいろな使い方があります。武器を創造する。攻撃魔法を打つ、仲間を回復する。用途はそれぞれです。」 クイズじゃなかった。魔力の話は母さんによく聞かされたから覚えている。その手の話も好きだし興味があるから聞いてみたい。 「その中にごく稀に、魔法を使うことが出来ない…と世間一般で言われて育つ子供がいます。」 「あ…僕だ。僕打てないし、作ったりもできない。」 僕とアニキは昔から魔法が使えず他の子供たちやいやい言われた事がしばしばあって、僕は母さんに何度も泣きついたことを未だに覚えてたりする… 「それは、使えないのではないのです。」 「え!?どういうこと?」 「それをこれからお見せします。刀を渡してください。」 僕はカタナを渡して、ハクロウはそれをくわえた
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