男なら背中で泣きやがれ

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ハクロウは僕の手渡したカタナをくわえると首を素早く振り、入れ物を僕の方に飛ばす。 「おぉ…このカタナってこんなに綺麗だったんだー…」 綺麗なカタナの表面に思わず見とれてしまう。なんだか吸い込まれそうな感覚を覚える。 「ウルフや…ウルフ様や、クロウさんの様な一般的に魔法が使えないと言われる方々は、厳密に言うと使えないのではないのです。」 そうなの!?アニキはどうかわからないけど、僕は才能がないから使えないのだと思っていたけどどうやらハクロウのいうには違うみたいだ。 「あなた様やクロウさんは、アルヴァンテリオでごく稀に生まれる捻出型と呼ばれる方なのです」 「捻出型?」 聞いたことのない形態だった。 聞いたことがあるのは、攻撃型、補助型、精製型だけだ。 「はい。この世には魔剣と呼ばれる武器が存在します。その武器に魔法を込め、作ることの出来るのは、捻出型だけなのです。まぁ…そのすべてをやってのける全能型という者もいますが…」 へぇ…すごい人がいるんだ… 「それで僕は捻出型なんだ?」 「はい。一般的に使えないと言われていますが表に出ないだけで、使えないと言われているみなさんは使えるのです。」 なるほど…すごい勉強になるな… 僕はそう思いながらいつも携帯しているメモ帳にメモをして、話に聞き入った。 「で!ここから本題です。」 ハクロウが入れ物にカタナを器用にしまうと、僕に渡してきた。 「ウルフ様。この刀、鞘から抜いてみてください。」 あ、この入れ物サヤって言うんだ。覚えておこう。 「あの、ひとついいかな?ハクロウ?」 「なんです?」 「カタナ一式の名称を後で教えてね?」 「わかりました。」 前々から少し聞きたかったんだよね 「さ、それでは抜いてみてください。」 僕は言われた通りサヤをもちカタナを引き抜こうと力を込めた だが…いくら力を込めてもカタナは抜けることがない。 「ぬ、ぬけない…」 足を踏ん張ってみても抜けない。 「その刀は魔力を込めないと抜けないのです。」 魔力を…込める? どうすればいいんだろう。僕は魔術に関しては素人だしどうすればいいかもよくわからない。 そんなふうに僕が慌てているとハクロウは口を開いた。 「その刀に意識を集中させるのです。」 そう言われて僕は全意識をカタナに集中させた
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