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アニキと別れた後僕はへっぴり腰で大男たちと話している村長の元へと駆けつけた。
「村長?どうしたんです?」
何も知らない様子を装い、村長に事情を訪ね不信感を煽らないように、空気をつくる。
「う、ウルフ!どうしてきた!?」
目の色を変え、僕を叱りつける村長だが、その目には安堵の色が見えているのは明らかだった。
「なんだこのガキは?」
「ウルフ、帰りなさい。」
僕の肩をつかみ、家へと帰ることを促す村長をみて、大男2人は、不審そうな顔をしていた。
「おい!ガキっ!この村に、珍しい武器がある筈だ!何か知ってるだろ!答えろ!」
こうやって決め付ける人は大概というより、だいたい人の話を聞かない。
「あ、はい。知ってます。」
「本当か!?おい、場所まで案内しろ!」
僕の返答を聞いた瞬間、かなりの勢いで食いついた。よし。まんまと引っかかった!
「ウルフ!?」
目を見開き僕の方を向いて村長は口をパクパクさせている。もっとも、普段の僕は、こんな事に首を自分から突っ込まないから、余計にだと思う。
「ついてきてください。」
大男を前に震える手を抑えながら精一杯の勇気を振り絞り毅然な態度で2人と心配な顔をしている村長を連れて、ジンジャへと歩みを進める。
頼む…アニキ…ちゃんと隠れててくれくれよ…
村の入口からジンジャへは割と距離があり、一本道になっている。
心なしかいつもよりゆっくりと歩き、アニキがジンジャの中へと隠れられる時間を稼いでいる。
「遅ぇぞ!もっと早く歩けねぇのか!」
「はっ!はい!すいません!」
アニキとは違う、完全な敵意の向いた怒号は、僕の心臓をはねあげた。肩に力が入り、握りしめた拳は震えていて、前に進むのでやっとなくらい足が震えている。
連れていく怒号を浴びてから少し歩くスピードを上げ、ジンジャのゲートを潜り、中についた。
「おい!糞ガキ!その珍しい武器とやらは何処だ?」
大男の1人が、しゃがみ僕の顔へ、その顔を近づけてきた。うう…怖いし…息がかかって正直気持ち悪い。
「ここの、中です。」
男の1人がジンジャの階段を登り、扉の前に立った
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