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家を急いで出ようとした僕の視界に映ったのは、『紅蓮の尻尾』だった。
「あ…」
昔、母さんが生きていた頃、アニキと僕にペンダントを作ってくれた。
母さんが大切にしていた赤い石を割ってペンダントにしてくれたものだ。
最近はつけるのが嫌だった訳では無いけど、外に出ることが少なかったからつけるのを忘れていた。
「母さん…僕達、外の世界に出るよ。連れて行くからね!」
ペンダントを首にかけ、気を引き締める。
外に出て玄関の扉を締めると鍵をかけ、兄貴の待っている、ジンジャへと向かった。
「ごめん!お待たせ!」
「遅ぇぞ!ウルフ!」
アニキは、外に出るのが待ちきれないようで、少しイライラとしているように見えたが、僕が手を握ると力強く手を握り返してくれた。
「さぁ!行こうぜ!」
僕とアニキは村の外へと歩みを進めて行くのだった。
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