第2章

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 ミシェルとクランの一人娘・ダリアはひなたたちより2つ年上で、ゼントランであるクランの血を引いていながら外見は普通の子供と一緒で、決して小さな巨人ではなかった。  ミシェルはクランの不器用な遺伝子受け継いだと笑ったが、クランはダリアの幼稚園でのとある出来事があるまで娘の身体が大きくないことを一人悩んでいた。  幼稚園での保育参観の日。  夫婦揃って娘の幼稚園での過ごし方を見学し、帰る時間になったのでダリアを探していた時のこと。  クランがトイレから出てきたダリアを見つけ呼ぼうとした時、ダリアの前に3人の男児が立ち塞がった。 「おいダリア、今日来てたのって、お前のねーちゃんか?」 「ママとパパだよ」 「ママ?何で子供なんだよ。おかしいだろ」 「パパはイケメンなのに、ママが子供みたいで変なの~」 「知ってるぞ。そういうのロリコンって言うんだ」  男児3人に冷やかされても真っ直ぐ前を向くダリアの姿を見ているのが堪らなく悔しくて情けなくて、助けに出ようと一歩踏み出した時だった。 「ママが子供みたいで、何がいけないの?あんたたちに何かした?」  思わぬダリアの反論に、男児たちも言葉につまる。
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