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「私のママは可愛くて優しくて時々怖いけど…自慢のママなの。パパはいつまでも可愛い姿が好きだって言ってた。私もそう思うから、あんたたちが変だって言っても私は気にしない」
ダリアの迫力に押されて男児たちがたじろいた時、ダリアが背後から抱き上げられた。
「男の子が寄ってたかって女の子をからかうのは感心しないな」
「パパ」
「お待たせ、ダリア」
ダリアが嬉しそうにミシェルの頭を抱き締め、笑い合う二人の姿にバツが悪くなった男児たちはそれ以上何も言わず、一人が背を向けると皆して走って行ってしまった。
「クラン、来いよ」
隠れていたつもりも無かったが結果的には声もかけられず仲裁にも入れず、ダリアに嫌な思いをさせてしまったと落ち込んでいたので、少しだけ娘の前に立つのが躊躇われた。
「ママ、どうしたの?」
不思議そうに首を傾げる姿に目頭が熱くなり、ゆっくりミシェルの元に歩み寄るとポロポロと涙が溢れ落ちた。
「…ダリア」
下に下ろしてもらったダリアが、泣かないでと言いながら懸命に手を伸ばして頭を撫でるので、更に涙が止まらなくなる。
「嫌な思いさせてるな」
「何が?私は小さいママ、大好きだよ?」
娘が笑顔でかえすのでクランはきつく抱き締めると、ミシェルも二人を優しく包み込んだ。
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