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頭上で震え鳴っている携帯電話を布団の中から手だけを出し、やっと捕まえるとそのまま引きずり込む。
「もしもし?」
『おはようアルト。昨日はお楽しみだったか?』
含み笑いの声に、わざわざ聞かなくたって分かってるだろうにと思いながら、答えに困って適当に相槌を打つ。
「どうしたんだよ、朝から」
『ああ、お前のところのチビたちなんだけど、今日俺もクランも仕事でさ。とりあえずそっちに連れて行こうと思って、今マンションの前なんだよ』
「はぁ?」
ミシェルの言葉に、アルトが慌てて飛び起きた。
まさかこんなに早く子供たちが戻ってくるとは思っていなくて、まだシャワーも浴びていなければ何も準備できていない。
『アハハ、その慌てぶり見ると、さては疲れてそのまま寝ちゃったパターンだな。悪い悪い、まだうちのマンションだよ。そろそろこっち出るから、迎えに出れるようにしておけよ?』
ミシェルにからかわれたのかと安堵し、電話を切ってからまだ眠っている彼女を見下ろした。
「何よ、そんなに見つめちゃって」
「起きてたのか」
アルトの返事に、やっとシェリルは目を開けてから小さくアクビをした。
「もうちょっと寝ていたかったんだけど、話し声で目が覚めちゃったわ」
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