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「……いいか。頼みたいのは情報収集だ。この魂交換現象について情報を集めて欲しい。お前なら政府か特対のサーバにアクセスして、何か情報を引き出せるはずだ」
言いながら隣の部屋に目をやる。
さっき前を通った時、中に五台の大きなモニタとパソコン、それに無数の蛇が絡み合ったような配線が見えた。おそらく、この部屋がゴーストの作業部屋であり、国の上層部を恐怖に陥れた神業的ハッキングの拠点だ。
「やれないことはないですが……」
俺を見たソネットは、ふと真顔になった。
「ん? でも、それ重罪だって言っていませんでしたっけ?」
「……ち、気がついたか」
「うわ、怖っ! なにさりげなく罪を重ねさせようとしているんですかっ。私は悪事はするなと教わったんです。前は知らなかっただけで、もうしませんよっ!」
俺を指差しながら、わたわたと喚く。罪人の癖に、意外と固い奴だ。
だが確かに、立場上目の前で法を破らせるのも気がひける。後で共犯呼ばわりされるのも具合が悪いしな。
「まあ、わかったよ。取りあえず公的に手に入る情報で良いから調べてくれ」
「そ、それなら……」
食事を終えて立ち上がりかけたソネットは、ハタと動きを止めた。
「いや。ちょっと待って下さい。よく考えたら変に調べて身体が元に戻っちゃったら、私、レドさんに捕まっちゃうんじゃないですか?」
「なかなか冴えているじゃねえか」
「怖っ。レドさん怖すぎですっ。うわーん。私の清純な身体が邪まな心に汚されていくよぉ!」
「心配せずとも、お前は重罪人だ。既に清純とは程遠い」
「ちょっとは慰めて下さいっ。…………あ。そうだっ。私のやりたいことを手伝ってくれるなら、情報収集に協力しますよ」
ソネットは突然そんなことを言い出した。
そういえばこいつは教会でやりたいことがあると言っていた。それまで捕まえるのを待ってくれ、と。
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