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「小さい頃の思い出って何歳から明瞭?私は小学校がギリかな。」
ということで小学生時代のお話から。
私は物心つく頃から福岡の田舎に住んでいた。
私が産まれて2年ほどは父の仕事の関係で神奈川県の川崎に住んでいたらしいが、記憶など無い。
最寄りのコンビニは歩いて15分はかかるし、コンビニの数より圧倒的に車屋さんが多かった。
小学生の社会科見学ではTOYOTAの自動車工場見学が鉄板。
一家に車は平均2~3台。車がなけりゃ駅まで行くのだって一苦労だ。
これだけでも十分田舎度合いは伝わるだろうが、それだけでは終わらない。
通学路の8割は田んぼ。
夏に窓を開けると牛の匂いがぷ?んと香り、同等の頻度でたき火の煙のような匂いもよく嗅いだ。
それでも東京の排気ガスの匂いよりはずっといい匂いだったと記憶している。
そんな環境下で私は育った。
松田聖子と中井貴一を足して二で割ったような遺伝子から成るものとは思えないほどのしょっぱい出来だった私に対し、母親は自分の娘がなぜこのクオリティなのかと愕然としたという。
しかし、それを認めては負けだと私に毎日「世界一可愛いし、世界一頭のいい私の自慢のお人形さんよ」と語りかけた。
素直な子供だった私は「そうか、私は世界一可愛いし世界一頭がいいんだ。なんだってできる。世の男性は皆私のことが好きなはず」と勘違いしながら高校卒業まで生きることとなる。
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