1.気づいたら治安の悪い田舎にいた

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中学に入ると、段々顔がましになっていった。 というのも、元々両親が二重だったためまぶたが薄くなってきたのだ。 ここが勝負だなと勘づいた私はアイプチに手を出した。 説明しよう。アイプチとは見えない糊をまぶたに塗り、上下の肉をくっつけることにより二重をつくる化粧品である。 ただ、アイプチはひとときの夢を見せてくれるが永続的ではなかった。 お風呂に入って顔を洗えばぺろんと落ちた。その度に私は絶望して枕を濡らした。 だがそこで引き下がる精神ではない。 「アイプチを落とさなければ永続的に二重を手に入れられる...」 そう思った私は禁断の「落とさない」という行動に出た。 3日もすればまぶたに赤い発疹が出たことは言うまでもない。 勝負に負けた私が次にとった行動は「つまようじでグリグリする」というとても野性的な方法である。 しかもつまようじの先端のほうをグリグリ押し付けるので、ピリリと激痛が都度走った。 それが快感に変わろうとしているタイミングで母親に見つかった。 「...何してるの?」 「二重になりたいからつまようじで痕つけてるの」 「そうか、頭いいわね。もっとやれ」 まさか母親からもっとやれという言葉がでてくるとはおもわなかったが、私はいかんせん素直だったのでもっとやった。もっとやって3ヶ月ほど経ったとき、私は理想的な二重の幅を手に入れていた。ここから人生は大きく変わることとなる。
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