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樹間を走り、クヌギやコナラ、ミズナラが出すエキスを吸うだけで、体が浄化される気がする。
日々の仕事と言えば、樹々の育成状況のチェックや笹などの下草刈り、ハチの巣の位置確認など。
自然相手だから、仕事に終わりはない。
時には老齢の樹木を他のレンジャー達と協力して切り倒したりもする。
え?自然保護なのになぜ木を切り倒すかだって?
なかなか、いい質問だ。
老齢の樹木は内部が朽ちて突然倒れてきたりするから、林内を通行する人間にとって危険極まりないものだからさ。
この散策林は、昔から人間が管理しているいわば人間たちにとって都合のいい森。
日々、俺たちレンジャーが危険な場所を確認しているからこそ、一般市民が気ままに林道を散策できるわけだ。
鬱蒼としたジャングルに分け入る危険を思えば想像に難くないだろう。
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