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曾祖母は少し考えてから、
「そげんね、そげんね、、、よかよ、小屋は好きな様に使いんさい。」と気安く許してくれた。
「ひ孫の子ね、、、わたしゃ、ひいひぃ婆っちゃんに成るとかね。それは良かね。それまでは、死ねんばい。」とニコヤカに言う。
そして 曾祖母は、
「優君、彩、お腹空いとらんね?」
「ひぃ婆っちゃん、今出んと、今晩中に辿り付けんけん、、、」
「彩、何を言ぅとるとね?身体の弱いお前が、そげな大きな荷物担いで、夜の山登れると思とぅとぉね?やめんさい。怪我するだけじゃけん。今晩はここに泊まって、休みんなさい。それで、明日の朝、行けばよかけん。」
「でも、ひぃ婆っちゃん、急がんと、、、」
「彩が急ぎたい気持ちは分かるけど、俺もその方が良いと思うよ。今晩はお世話にならないか?昨日もちゃんと寝てないし、やっぱり、夜道は危ないよ。」と彼女の眼を見ながら言うと、
「あなたがそう言うのなら、そうします。」と彩は素直に同意した。
「その方がよか。彩、付いて来んさい。食事の支度するけん。」と曾祖母は言い、彩は後ろに付いて土間に出て行った。
二人が食事の準備をしている間、俺は、二つのバックパックから詰め込んだ荷物を全部取り出し、軽くてかさ張る衣類等を彩のバックパックに入れ、重い荷物を自分のバックパックに詰め直した。
その後、しばらくの間、横に成って目を閉じた。この四日間、十分な休息が取れていなかったのだが、あまりにも気持ちが高ぶっていて、眠気は全然ない。
しばらくそうやって寝転んでいると、彩が俺の身体を軽くゆする。
「あなた、お風呂が沸いたから、先に入って来て。」と言いい、俺を風呂場まで取れて行き、
「着替えは、後で持ってくるから。」と扉を閉めながら言う。
身体を湯で流した後、少し熱めの風呂に浸かり、
「風呂も、これが最後かもな。」と独り言を言い、濡らしたタオルを頭と顔に被せ、目をまた閉じた。
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