4/39
前へ
/39ページ
次へ
……そのはずだったんだ、ホンの数十分までは。 腕時計を確認すれば時間は16時37分。 本当ならもう家に着いている時間なのに……何故こんなことになっているんだろう? 「ねえ!私の話、聞いてるの!?」 僕がボーッとしていると、目の前の髪の長い女の子が訝しげに声を掛けてくる。 「……うん、聞いてるよ。」 僕の返答を聞けば、彼女はまたペラペラと喋り出す。 僕の目の前でひとりで喋ってる女の子のは、透き通ったように真っ白な肌をしていた。 そして、触れたら壊れてしまいそうに繊細な線の輪郭、桜の花びらを添えたようなピンク色の唇。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加