第2章 迎撃

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 同じ頃、景子の母は洗濯物を干し場で干しながら、ゴンタロウに訊いていた。  「なんでそんなことを聞くの?」  「はあ」  ゴンタロウは困ってしまった。  自分でもなぜ名前にこだわるのか、わからない。彼は機械だ。扇風機のように《すずかぜ》とか《ふうりゅう》という呼称でもかまわないはずだが、やはり虚しい気がするのだ。  言いにくそうにしていると、「あの猫はおとなしくてね、いつも景子のそばにいたの」
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