第3章 説得

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 此処は高垣家が所有する畑の裏山だ。  この山には太平洋戦争の頃、防空壕がわりにしていた洞窟がある。  人が出入りしないように有刺鉄線で塞いであるが、今は錆びて、人が通れるほどの穴があいている。  そこから顔を真っ青にした景子が出てきた。  心配したとおり、また圭一が《アレ》になっていたのだ。  圭一によると、謎の円盤が地球に近づいて、巷では《侵略者かも》と噂されているので、万一の時に備えて、また防空壕として使えるかどうか調べていたら、偶然、金の指輪を見つけたという。  で、「大発見だ!」と、喜んで、それを指につけたら変身して、巨大円盤を操作できるようになったらしい。
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