第3章 説得

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 「いつも見守ってくれていたの! あんたみたいに監視するんじゃなく、観察するんでもなく! ただ見守ってくれていたの! 動物を馬鹿にすんな! この電化製品!」  それを聞いて、ゴンタロウは自分の名前の意味が、それほど軽くないのを知った。  だが知ったところで、全人類を危険にさらすのは納得できない。  「わたしは生き物ではありませんが、しかし知恵がないわけではありません、あなたは、せっかく助かった全人類の運命を賭けるんですよ、余計な真似をしなければ一人を除いてみんな助かるのに――それこそ身勝手ではないですか!」  「だけど、やる価値はある!」
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