空白と記憶の狭間

第１章 記憶

　想像してみてほしい。

　うんざりするくらい長い時間、見知らぬ場所を彷徨って、すっかりあなたは疲れてしまった。

　（もう、そろそろ休みたい。どこで休憩しよう）

　そんなあなたに楽しげな景色が見えてくる。

　青い海に緑豊かな大地――暖かな日差しが注ぎ、温暖な気候だと一目でわかる場所だ。

　まさに目の前の風景は理想のリゾート地としか言い様がない。

　あなたは心がウキウキしてくる。