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続 長瀞ライン下り
「ほら、肉、焼けてるぞ~。」
「どんどん食えよ。」
木村コーチと葉山コーチが缶ビール片手に張り切っていた。
河原で食べるお肉がこんなに美味しいなんて、コーラでさえいつもの味とは違う気がした。
「俺たち釣りしてくる。」
男子軍団が立ち上がった。
「行く?」空が私に聞いた。
思わず首を横に振ったけど、嬉しかった。
そらはやっぱり格好良かった。そして優しかった。
率先して荷物を運び、うちのお母さんが持っていた荷物までも
「僕が持ちます。」と言った。
葉山コーチや木村コーチ、空を見ていると、男の人って頼れるなぁと思った。少しだけ、お母さんが葉山コーチに惹かれる気持ちが解った気もした。
大人たちもひとしきり盛り上がり、片付けを始めた。
「さて、ライン下りするぞ~。」
「わーい。」はしゃぐ翔。
長瀞の観光案内所でチケットを購入し、岩畳に向かって歩いた。観光地らしくお土産屋が並ぶ。私にとっては何もかもが新鮮だった。
みんなで船に乗り、救命胴衣をつける。船頭さんの楽しい解説を聞きながら時に波しぶきを浴びてキャーキャー言った。
木村コーチ夫婦や健太くん美幸ちゃんを見ていると、
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