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続 生活の転機
小学校の学区は別々だったが、私が行く中学校は葉山の家の目と鼻の先にあり、葉山コーチの長男 海(かい)はすでにそこの中学に通っていた。
なので当然、私は空と同じ学校になるのだと思っていた。
ところが、空が都立の中高一貫校に入学すると聞いてビックリした。
ものすごい倍率の入試の学校だ。
空って勉強も出来るんだ。
私が地元の公立中学に入学したとき、海くんは中三になった。身体が大きくていかにもやんちゃなガキ大将といった風貌の海は、堅実で好青年な空とは違うタイプだった。
私はなるべく中三の教室などへは近寄らないようにした。
空は、都立の中高一貫校に電車通学をし、翔たちの少年サッカーチームにも顔を出さなくなった。
翔と陸くんは六年生になったが、相変わらず仲良く練習に行き、練習以外でもよく二人で遊んでいた。
一度、うちで遊んでいた二人にそれとなく空のことを聞いてみた。
「ねぇ、空くんって部活何やってるの?」
「サッカー。」
「やっぱそうか。朝 早い?」
「うん、5時半とかに出てるらしい。弁当二つ持って。」
「え、葉山コーチがお弁当作るの?」
「おばあちゃんだよ。」
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