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葉山家訪問から
海はグラス一杯のレモンティーを飲み干すと出かけて行った。
お正月番組を見ながら、適当にお節料理をつまみ、それに飽きると空と陸と翔も和室を出て行った。
一人退屈になった私は仕方なくテレビの方を向いていた。
「リナちゃん、こういうのやったりする?」
おばあちゃんに声をかけられて振り向くと、ジグソーパズルのかけらの入った箱と大きな板に途中まで作られたパズル絵を見せてくれた。
ゴッホのひまわりだ。
「お袋の趣味なんだよ。リナちゃん、手伝ってやって。」
コーチが笑いながらウインクした。
「あ、はい。」
どうせ退屈していた私は、しびれた足を引きずりながらパズルの広げられた和室の広い箇所へ移動した。
結局、この日はお昼頃から夕方6時頃まで葉山の家に居た。
「泊まりたい。」と言う翔をお母さんが「正月から何言ってるの。」などと言ってなだめた。
母親として決して甘やかしてはいないという意地を見せたように感じた。
帰路につく。
すっかり日が落ちた暗い道を三人で少しホッとしたように歩いた。
お母さんも私も当たり前だけど気を使っていたのだ。
「ねぇ、お母さん、結婚式とかするの?」
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