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めまぐるしい環境の変化
それからも葉山の家で生活していて驚くことは沢山あった。
それは、髪の毛がサラサラになる良い匂いのシャンプーだったり、洗面所に並んだそれぞれのヘアワックスなどという些細なことから、庭にあるバスケットゴールや無造作に置かれた大量のテニスラケットやゴルフクラブ、スキー板もあった。
正直、私には無縁なものばかりだった。スキー場やゴルフ場なんて行ったこともない。
夏が近づいてくるとエアコンがきつかった。そのせいで私はいつもカーディガンかパーカーを羽織っていた。
誰が買ってくるのか(恐らくおばあちゃんだろうけれど)、戸棚にはいつもお菓子やカップ麺がいっぱい入っていたし、1リットルの牛乳をパックのまま一気飲みしているところにも何度も遭遇した。
葉山家にとっては、うちのお母さんは都合のいいお手伝いさんなのではないか。などと感じることもあった。
5人分の子供の洗濯物。
食事の準備。
散らかった部屋の掃除。
それでも、
それはお母さんが選んだ人生なのだからと、私は気まぐれに手伝ったり、見て見ぬ振りをしたりして過ごした。
おばあちゃんは思っていたほど厳しい姑ではなかった。
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