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空への思い
気がついたときにはもう日が暮れていた。
眠っていたのだ。
階下から夕食の匂いが漂っていた。
私はカラダを起こし、ブレザーを脱いでネクタイを緩めた。制服のままだったのだ。
「リナ?具合でも悪いの?」
エプロン姿のお母さんが部屋に入ってきた。
「あらやだ真っ暗じゃないの。」電気をつける。
「まぶしいよ。」
ベッドの上で私はうつむいた。正直、お母さんの顔を見たくなかった。
「びっくりしたわよ。夕方買い物に行こうとしたら、リナの靴があったから。…熟睡してたね。体調悪い?」
お母さんが私のブレザーをハンガーにかけた。
「大丈夫。でもご飯は食べられない。」
「どうして?食欲ない?」
「気持ち悪かったの。学校で吐いた。」
私はキレ気味に言った。
「薬は?何か持ってこようか。」
「放っておいてよ。もう大丈夫だから。」
「じゃあ下におりて来られる?」
「無理。」
「みんな心配するから。」
「誰も私の心配なんかしないよ。もういいから出て行ってよ。ご飯なんでしょ、みんな待ってるよ。行って。気持ち悪いんだから。」
あんたのことが気持ち悪いんだよ。
私は心の中でつぶやいた。
布団に潜り込んだ私はまた眠ってしまったらしい。
気がついたら夜中の1時を過ぎていた。
トイレに行って下に降りてみた。
誰もいない。
少しホッとしてシャワーを浴びた。
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